ありがとう...ございましたっ![ 何とか震える両腕を降ろし、ぐっと頭を下げて一礼してから、カレルは顔を上げた。続けて口を開きかけたところで、折れて背後に飛ばされた剣の刃先の部分を、周囲を舞っていた精霊がフヨフヨと運んで来る。 ]あ、ありが...[ 声が途切れたのは、息切れのせいばかりではなく、その精霊が、どこかで見たような毛玉の姿をしていたからだが、気を取り直して剣先を受け取り、未だ握り締めていた剣の束と一纏めにしてから、少しの間目を閉じた。 ]