[刻印の茨によって体は宙に浮かされた。磔のように固定され、振り返ることも難しい。身じろげば、鋭い棘が容赦なく肌を突き破った。背後から声が掛けられ、背に手が触れる。牙が食い込んできた瞬間には、呻きが零れた。上げそうになる声を、必死に噛み殺す。 『あなたが望んだことよ?』 『だってあなた、そう言ったでしょう?』血に濡れた顔が脳裏で囁く。自分の罪が。言葉を捨てると誓った相手が。]