― 五年前・帝都震撼 ―
[別に目的とか、志は特になかった。
できる、と思ったからやっただけ。
あと、皇帝の生ぬるさには苛ついていた。
私なら、もっとうまくやれるのに。]
今の皇帝は、魔法使いの世界をひっくり返す気なんてない。
裏で魔法使いと手を組んで、自分と取り巻きたちだけうまい汁を吸っているんだ。
子供を魔法学園に入れたのも、追放したふりでうまいことやろうとしてるんだ。
[根も葉もない糾弾と証拠ともいえない証拠に、意外と簡単に兵たちは乗ってきた。
もともと魔法使いへの反感で成り立つ国だ。煽るのは容易い。]