[来るのが早すぎてしまったらしい。
探した彼の姿はなく仕方なく元の服を着ようと脱衣所に戻ったところで、先程浴場でちらりと姿を見かけた女性が声をかけてきてくれた。>>124]
す、すみません。
この服の着方がわからなくて…。
どうしたらよいものかと…。
[襟を合わせて帯を縛ればよいのではないか、とやってみたものの、襟はがばがば、前も空き、きちんと着れば足首辺りまでしかない裾も地面すれすれを漂っている始末であった。
帯の結び方も適当だったので、身じろげば身じろぐ程着崩れてしまう。
恥ずかしさはないが、みっともない姿を晒すのは躊躇われる。]