ふふっ。
[ヨアヒムの挨拶に、ヨアヒムの家じゃない!と即座にツッコミを入れるオットーに笑みをこぼす。
子供の頃、三人で遊んだ記憶が甦って。
ついでに言うと、例の飲み会の際にヨアヒムがゲルトを無残な姿にした一部始終を、素面だった青年はばっちり目撃していた。まさに農夫は見たである。
こちらもヨアヒム本人がすっかり忘れているため、沈黙を守っている。
だから青年としては、最初から全ての真相を知っていたゲルトの姿よりも、翌日ゲルトー!と宿屋に木霊したオットーの叫びの方が、強く印象に残っている。
寝てしまった知り合いに毛布をかけたりして寝たのが最後だったから、オットーの声で目を覚ましたことも理由のひとつである。]
ヨアヒムとゲルトさんもパンを買いにきたのですか。
今日は何にします?