[”わたし”を見つけた兄の、疲れ果てやつれた面差しの中、空色の瞳に一瞬だけ、深い絶望の翳りが奔った気がした。けれど次の瞬間。それはじわりと滲みでるような、”悦び”の色に代わり。あれほど、“わたし”を頑なに遠ざけようとしていた兄はとても――…“嬉しそう”に両手を広げて迎えてくれた。 覗き込むように見上げた、同じ色の瞳の深淵には。月を失った夜のような、底知れぬ深い孤独な暗闇>>122が、愉悦に震える血色をたたえて―――…嗤っていた。>>1:196。>>1:197*]