人も人狼も同じだ!
どんなに優しくても、得た知能は人でしかない!
[ドロシーの右耳に咲いた花が散った>>115。
右耳にも自分のが当たってつけた傷かと思ったが、――何か違う。
血が溢れる先から花が芽吹く。
――違う。
あの耳の傷だけは、今ついたものではない。
直感的にそう判断して、僅かに狼狽する。
―いつ出来た?いつから出来ていた?
――お前はそんなことを判断することも出来なくなったのか?
躊躇うように、僅かに右の銃口が天井を向く。
気が付かなかった。気が付いていたら何かが変わった?
気が付けなくなっていた時点で、どのみち、もう戻れなかった。
ドロシーに赤い薔薇が咲いた。血の色によく似た、真紅の薔薇が。]