[押しとどめられぬ身体はツェーザルをすっぽりと腕に収める。薔薇の小瓶から何か飲むのは目にしても、その意味は分からず、震えながら、肩へ口を付けた。出よう、とその言葉に幾度も頷きながら、ゆっくり、牙を突き立てる。なるべく痛くないように。そう思う心は、血の味を含んだ途端に吹き飛んだ。]