……シュタインメッツ?
ああ、はい、見張り員の中尉ですね。
[さり気なく階級を訂正しつつ、頷いて]
……難しいですな。
自分は、奴の人となりを、よく知りませんから。
まあその、電測班と見張り員ってのは、あまり相性が良くないもので。
[ただ、と]
……砲術長が副長を襲ったとき、奴も同行していたわけですからね。
そこで加勢せず、砲術長を追ったといいますから……工作員なら、不自然かと。
奴が連中の仲間なら、いま、副長が息をしてられるとは思えません。
[もうひとりの同行者、エーデルシュタイン少尉については、霊安室にその亡骸があったが。
シュタインメッツ中尉が敵ならば、そこにジャンの亡骸も並んでいただろうと]