― 『世界軸』上層・時の広間 ―
[ クラリッサが、器用に空中でトンボを切ってブレスの直撃を避けた、までは、見えたが、その後は目に入らない。
背後から咳き込む声が聞こえたのは気になったが、そちらを案じるよりも、竜を引き付けるほうが先だ ]
これが今の俺の仕事だからなっ!!
[ 最初に突き出した穂先は、気付いた竜が首を振った事で狙いを外れ、その緑色の鱗を僅かに削るだけに留まる ]
まだまだっ!
[ 踏みつぶそうとでも言うのか、足を、男の方へと踏み出す竜の動きに、笑みを刻んで、一旦引いた槍を、その足裏に向かって突き上げる。
並の槍なら竜の足の圧力で折れるところだろうが、龍牙は、龍の骨と牙で出来た長槍だ。
圧に耐えて、龍の足裏に突き刺さり『永劫』はまたギャーという甲高い苦悶の声をあげた* ]