[ナイフを抜き取られた刹那。
ジェフロイは、反撃の為に手を伸ばした。
目測で、ナイフ込みでもコンスタンツェの腕のリーチより、
自分のリーチの方が長いと判断したからだ。
正当防衛を盾に、階段に突き落とそうと、
彼女の肩に伸ばした手は、しかし、触れることなく。
ただ、階下から見た場合、男が付き落としたようにも見えなくもなかったかもしれない]
コンシタンツェッ!!
[一瞬時が止まった男は、女の身体が階下で止まった時、
我に返えり、彼女の名を叫んだ。
結果としては、己がしようとしたことと同様の結果ではあるが、
しかし、自ら行ったのとそうでないことの差は大きい。
慌てて階段を駆け下りるが、男がたどり着くより、階下に居た誰かがたどり着く方が先かもしれない**]