[地を蹴り、陰気抑えし朱雀の下にて左手を掲げる]百花繚乱《パイホァリィアンルゥアン》───夢幻花《モォンホァンホァ》[ふわり、掌から舞い上がるは桃色の花弁。風に乗り渦を巻き、巨躯の鳴蛇を包まんと広がり行く]長くは持たぬだろうけれど……それでも十分な時間は取れるだろうさ。[広がる桃色はただの花弁に非ず。幻惑の香を伴うそれは鳴蛇の意識を一時奪うもの。相剋故に長くは持たぬが、レトが身を隠し淵へと向かうには足る時間が得られるだろう]