せや、○ョコボには手綱が必要やで。
[ヒヨコ?の様子を見ていたヴェルザンディが、頭を上げて首を傾げるのを薄茶はチラリと見やり、静かに細めた。
ふっ、と煙を吐けば、一匹の蝶が生まれ、ひらりひらりと宙を舞っている。]
まぁ、大人になった場合、往診とかするのに便利にはなるやろ。
ナースを何人か乗せていけば、地域医療に貢献は出来ると思うえ。
せやけど、……誰が、コイツの面倒見るんか?
うちは、「お役目」が終わったら、ここにはおるつもりは有りまへんえ。
[勿論アー何とかとは結婚する気など毛頭無く、自分の「役目」を終えたら、この地から立ち去って本業に戻るつもりでいるのだから、ずっとヒヨコ?の面倒を見る事は難しい旨をヴェルザンディに伝える。
そんな二人のやり取りを知らない蝶は、いつの間にか窓の外を抜け出していて。
そう長くしない内に消えてしまう儚い幻の蝶は、何処へ飛んでいくのだろうか。]