嗚呼――[微笑みと共に、差し伸べられた手>>114。 その手を取り、祝福を受けたその時、アデルの目尻からあたたかなものが溢れ、頬を伝い落ちた。 下級天使が、或いは意志持たぬ頃の己が、決して零すことのないもの。 その時己の内に生じた想いを、言い表す言葉は持ち得なかったが、ただそれは胸の奥深くに刻み込まれ、どれだけ時が経とうと消えることはなかった]