― リオレ島拠点内 ―
……、そうか。
[頬に見えたのは涙の跡だろう>>41
親友を誇るかのような明るい声に無理が滲む。
それを真っ直ぐに見つめて、そうかと短く頷いた。
顔を窓へと向ければ、遠く空と海の色が見える。]
───…ストンプで、だったな。
[不意に口にするのは、昔のこと。
ゲオルグはここに来る前に、兵より一つの報告を受けている。
曰く、ヴァイスメーヴェがある帝国軍人の遺体を持ち帰り、更にはストンプ候の乗る船にそれを乗せたとのこと>>4:322
帝国軍人の氏名は聞けずじまいだったが、ヴィクトリアの話を聞けば、ひとつの名前が記憶の裡から浮かび上がる。]