[ 大枠は正しい気がした。
でも、どこかで何かが腑に落ちなくて。 ]
……ぁ……。
[ 組んだ指からロザリオがこぼれおちた。 ]
私が……、嫌々「おつとめ」をしていたからなのね。
魔物を恐れ怖がって、
聖毒を自ら食う愚かな存在だと思って馬鹿にして、
「我慢」しながら、彼らと接していたからなのね。
「人間」を救うために、悪い魔物を「斃す」事が必要で、
私は今まで、魔物そのものを「救う」ことなんてちゃんと考えていなかった。
だから、私は痛い思いをしなくちゃいけなくて、
彼らは苦しい思いをしなくちゃいけなかったのね。