[ それは小さな約束だ。また来る、と、幼い弟にした約束と同じ。
あの偉大な元帥は、コンラートを英雄と呼んでくれたが、自分はそんなものではないと知っている。
たまたま、不思議な加護の力で生き延びてきただけの、弱く平凡な、人間に過ぎない ]
まともにやりあって、勝てるなんて…思ってねえ、けど、なっ!
[ 放った魔法の針がその傷ついた腕に突き立っても、怯むことなく月白の翼を翻し、死を告げる天使は目前に迫る。その気配に呼応するように、大天使の呪いによる苦痛が増幅した ]
けど…諦めねえっ!
[ 振り絞るように叫んだ瞬間、どくん、と心臓の更に奥深くで、何かが鼓動し ]