― 滑走路 ―
[弓使い、特に騎馬弓兵、というのはわりと『面倒』な部類に当たる。
なんと言ってもその機動力と攻撃範囲の広さ、そして、高さ。
徒歩を基本とする自分との相性は、基本、よろしくない。
刃で断てぬ重装甲よりはマシ……とも言うが、それはそれとして。
そんな相性の悪い騎馬弓兵を相手取る際、常ならば狙うはその脚──つまりは、騎馬の方。
同じ高さに引き摺り下ろせば、勝負決するは容易い。
だが、今回はその思考を除外した。
求めるのは、単純な『勝利』ではなく、立ち合う事で得られる熱。
だからこそ、狙い撃たれる危険は承知で、上から仕掛けた──のだが]