[形式だけではなく心から。全ての父と呼ばれる存在に祈りを捧げたのは、>>112これで三度目くらいか。
一度目は、牛舎で自らの命を絶った大好きだった母の、宗教的には有り得ない安らかな旅路を願った時。
二度目は、今は祭りの準備の為に村を出ている自分を拾ってくれた、もうお婆ちゃんという歳のシスターに出会えた時。生きていたら、母はきっとこれくらいの歳だったなんて思い、寄る辺を失くした女に、お帰りと言って笑ってくれた。
それに続く三度目の祈りを終えた時、村娘が口を開いた>>113]
[女は黙って続く言葉>>114>>115を聞き、そうしてまた一つ、笑った]
確かに、平気で女や男を買い漁る聖職者もいるわね。彼が違うかどうかは、私には判らないですね。
だって私、この人の事知りませんもの。
[知っている事なんて名前と、聖職者にあるまじき破天荒な所があるくらい。
それは、パメラが言う『知る』という事よりはきっと圧倒的に情報不足だっただろう。
だからあっさりと、彼女の言葉を否定出来た]