……はい。
突然のことで、あたし、驚いてます。
でも、あたしたちがしっかりしなきゃ。
……あの、
[ そう紡ぎかけて、この人は、
何を、どこまで、知っているのだろうと。
王国の兵ですら知らぬ事情、
尉官とは言え、今は白狼騎士団のほうに
籍を置く彼女が、今回のこと。
だけど、王宮には総督の姿もあったという
傍で仕える彼女なら ──]
……あの。
王は、何故、亡くなられたのでしょうか。
[ これくらいなら、聞いても大丈夫なはず。
尤も彼女が、虎視眈々と国を狙う
密偵の者だとは、知る由もないから。 *]