[もう一人、酒の勢いで口を割った相手も居た。 6ヶ月前のこと。 重要参考人の刈屋の勤め先に出向いた。まだ俺は疑っているのだと、何処に移っても追いかけるのだと示すためだ。 事件の進展はない。だが、刈屋のアリバイはなく、聴取の際の『待ち合わせていたけども行けなかった』が嘘だったと裏が取れた。けれど、決定打はない。ないから、進展はないのだ。 そもそも、正直に話したりはしない。]