[ニコラス>>99とシモン>>110の遣り取りを視ていた。
虚ろ目を晒すシスター>>108を視ていた。
…ただ、視ているだけだった。
口元を抑える青年は、隠した口を奇妙に歪ませながら、不穏に揺れる空気を"愉しんで"いたのだった。]
――…『赤い聲』>>104
[…だから、男の人ならざる耳はその言葉を掬い上げ、奥へと運ぶ。
不意に聞こえたそれに興味を掻き立てられ、ジムゾンが談話室から出て行くようなら男もまた、席を立って談話室を後にするだろう。
誰かに見咎められたなら、「こんな状態で独りで過ごすのは危ないから」とでも取り繕う言葉は幾らでも。]