そう。[顔を上げた妹の目元は、昔と同じように赤く染まっている。その正面に回り込むと、同じ目線で笑いかける]じゃあ、戻ろう。フランツにも、謝らないといけないしね。[広間を出る直前に見た彼の顔は、まさに茫然自失という状態だった。彼も、色々と心労が積もっていたようだし、ひどくショックを受けたのかもしれない]それとも、部屋に戻る?[言ってはみたものの、妹ならきっと彼に謝ることを選ぶだろう、と思いながら]