――チッ[何とも言えない遣り難さを覚えて、状況は拮抗する。単なる力押しならば、体格の問題でこちらの方が分が悪い。素早さで押し切ろうとするのが常だが、相手はそうはさせまいとこちらの間合いを読んでくる。更にこちらには怪我というハンデがある。剣が重なり奏でる高い音は、傷ついた頭の奥によく響いた。]