[部署が違うのにしょっちゅう翻訳部屋を訪ねては同僚の仕事にまで関わりたがる己を、ウェルシュはいつだって歓迎してくれた。年長にしては少しばかり抜けているところもあるけれど、それがより彼を親しみやすいひとにしているようにも感じていた。そんな彼を、オクタヴィアスは兄のように慕っていた。]僕には、ウェルシュが言うような力はないよ……。[己の意思に沿って動いてくれたようにも見える彼を、信じたいのに。]