あ、やばっ……!
[対岸までもう少し、という所で水上歩行の方が途切れた。
それも、湖面に足を付けたタイミングで。
ぐらり、姿勢が傾ぐ様は、傍目には沈む兆候とも取れるもの]
っと、とっ!
[何とか身体のバランスを取り、水を跳ね上げつつまだ切れていない浮遊の方に意識を寄せて、ふわり、舞い上がる。
そのまま、勢いをつけて対岸へと降り立って]
あっぶなかった……。
[はあ、と大きく息を吐いて呑気な言葉を漏らす。
とはいえ、対岸で見ていた方にしてみればそれで済むはずもない事で。
降って来たのは言葉かそれとも別の何かか。
いずれにせよ、穏便平穏とは言い難かったのは、確かな事。**]