[今回はという言葉に彼は少し怪訝な顔をする。>>106
毎回違う人間なのかというとこに引っかかったみたいだった。
たしかに王子様がただ心配なら、軍部の誰かをつければいいだろう。
彼はすぐに真顔、いや、困った顔をして王子様の後ろにつく]
気楽に……では、困りますよ。
お立場を考えになってください。
[後半、少し寂しい声色だったのは気のせいか。
柔和に笑うとスラスラと言葉がでてきた]
安心してください。
あなたに反対する言葉なんてもちません。
次期、国王になるかもしれない方に
下手な口を聞いては反逆罪になりかねませんしね。
[彼は言っていたおじいちゃんになった今の国王は
もうすぐ新しい国王を決めるみたいだって。
がんばって閉じていただろう口も開いてしまえば、
彼の気も随分楽になっているみたいだ]
っと、失礼いたしまいた。
[冷静さを取り繕うように胸ポケットを一撫でする。
撫でられれば、声がでそうになるが出さないのが
ここにいる約束だ]