ん。ありがとう。[この宝石を渡す男の心理――さらに言えば、世の恋人たちが宝石を女性に渡して喜ぶ女性の心理、がわからないけれど。宝石の良さも、魅力も、価値も、わからないけれど。ただ、その宝石は美しいものに見えたから。藍色に輝くペンダントを変わらぬ無機質さで身に付ければ、胸元できらりと光った。とくり。胸を打つ鼓動。こんなとき、世の女性はどんな反応をするのだろう。どうしても、冷たい印象を相手に与えているような気がして辟易とする。]