オットー、ありがとう。[まんざらでもなさそうなオットーから、パンの包みを受け取る。自分の好きなレーズンパンを覚えていてくれて、しかもよく焼いてくれたオットーには恩を感じていた。だから機会があるごとに、誉め言葉を口にするようにしている。オットーがエルナに向って注文を尋ねる声が耳に入って、二人の邪魔をしないよう、無言でそっと後ろに下がった。*]