…、あ。 軍人の方、だったのですか…。[共和国大使であり第二皇子。巫女姫は、彼の二つ分の顔しか知らない。ならば言葉の通り、戦場に立ったことはカナンにとって問題ではないのだろう。彼は外の国の人。巫女姫が戦場に立つことへの嫌悪も、ナミュールの国民と比べれば薄いに違いない。『妻』という言葉に、どきりと胸の奥を驚かされた心地がした。……その音が、慣れなくて]