[変な声を出して嫌われていないだろうか。肩口に顔を押し付けながらそんな事ばかり心配している。だって、先ほどから続いていた接触は唐突に途切れている。段々と身が強張るのが分かる。と、背中で柔らかなリズムが刻まれた。>>123穏やかなそれに、指先に温度が戻ってくる。蟀谷に感じる熱に、頭を撫でる大きな手に甘えていると、深く落ち着いた声が耳を擽る。] いいえ…… いえ、怖いです、ね。[反射的に否定したが、少し考えて言い直す。そっと頭をあげて、タクマの目を見つめた。]