― 回想・数年前 ―[リーゼロッテがまだ士官学校生だった頃、わたしは剣の指導で彼女と対峙した事がある。士官生にしては小柄な彼女は、剣を持つ手もおぼつかなく、太刀筋もフラフラとしていて。十回模擬戦をして、十回わたしが勝利を収めた] あなたがわたしに勝ちたかったら、わたしの隙を突くしかないね。[なんて当時は冗談めかして笑い飛ばしたけど。もちろん、そんな会話は今は思い返されることはなく。*]