[>>111男の血を取り込んだ甲斐あって、ジークムントの負った怪我が順調に塞がっていく。それに安堵の息をつきつつ、失血によって僅かに眩暈を感じ。男が彼の髪から手を放そうかと思った頃、彼と目線がかち合う。端正な顔が覗き込んでくるそれは予想以上に距離が近く、思わず目を丸くし。]――…っ、大丈夫だ。[髪から手を離し、手で軽く彼の肩を押す。]