[それから、相変わらず羊飼いはゲルトを愛称で予防として先生と呼び直した。洗い桶の中から、ひとつひとつ食器を取り出しては、丁寧にごしごしと擦っていく。洗剤を泡立てていくつものシャボン玉作っていった。少女が微笑みながら皿洗いをする理由が隣の羊飼いには分からないだろう。]直らない傷こそ、どうしようもないのかもしれないけれど。だから、何もかも駄目になっちゃうまえに、なんとかしなきゃ。