人狼物語−薔薇の下国

541 グラムワーグ・サーガ 5 〜呪歌、今まさに絶えんとする時


皇帝 ファミル

― デメララ・収容施設 ―

[年若い娘が頭を下げる様子に、ざわめきが広がる。
浮かぶ表情の多くは、学園が落ちたことへの驚愕や、ついにという無力感、そして突然協力を求められた事に対する困惑だ。
ざわつきがひときわ大きくなった時、ひとりの男が掴みかからんばかりの勢いで飛び出した。]

「居場所を取り戻すって言うけどなあ!
 マンダレーも落ちた、ロンリコも落ちた、
 どこにも行く場所なんて無いじゃねえかよお!
 帝国から逃げるなんて、できるわけねえだろ!」

[男の口から溢れたのは、絶望の叫びだ。
周囲の者たちは男を押しとどめているが、何も言わないのは彼らの中にもいくらか同じ諦念―――絶望があるからだろう。*]

(124) 2020/11/18(Wed) 13:10:54

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