[伏せている間の姿は、なかなか見られたものではなかっただろう。
人間はおろか、馬まで横倒しにさせた常識外れっぷりだった。
騎兵の一隊にでも先に発見されたら一瞬で部隊壊滅間違いない。
駆ける様子も非常識というか、突飛なもの。
先頭の5騎くらいが両手に木の枝を持ち、土煙を立てながら疾走する。
後方に続く者たちは、馬っぽい形の板を長い棒に4つほど固定したものを持って走っていた。
一人ラインダンスならぬ、1騎で5騎分の騎馬突撃である。
もちろん、普通に見ればすぐに見破れるようなものだが、戦場という混乱状態の中、土煙の中に紛れていれば、或いは大軍に見えるかもしれない。]