(ああ判ってる。お前は喜んでいるんだろ。)
[背中を見送りながら、俺の中でざわつく存在を感じていた。
近い感情は昂揚感。
戦場で初めて人を殺した時、一日手の震えも止まらず
眠れなかった。
次は俺だと幻聴まで聞こえて、そんな連中ばかりでは
戦いにならないから、時折鼓舞する声がした。
恐怖を振り切るため、正義はこちらにあると、
勝利は近いと雄叫びを上げ続けるうちに
本当にそんな気がしてくるのだ。
いつしか、人を殺すことで昂揚感すら生まれるようになった。
忘れていた感覚]
(左目が踊っている)
[仲間の存在に喜んでいるのか、殺戮を喜んでいるのか。
どちらにせよ、長く1つでい過ぎた俺も、何処かで喜んでいる]