―― 第二エリア ――
[悲鳴の聞こえた方角へと全速力で駆ける。
何か、全身をぴりぴりと刺すような不吉な違和、先程までとは何かが違っている気がする。
それがワープアウトの所以であり、いまいる場所が通常空間ではないとはまだ何も気づかず、
しかし、続けざまに聞こえてきた声>>81へと、神経は集中している。
やがて角を曲がれば、そこには人影が二つ。>>84
男の方は口元を手で覆っていて、よく顔が見えなくて、
縋るように訴える少女に、何かを諭しているようだ。
『正体もきっと探れる』>>94
『期待してる』>>110
彼らが“届かせよう”と思った言葉は、ヒトに比べて強い聴覚には、確かに届いていて。
今はそれを深く考えることもなく、声をかけようとした、そのとき。]