[ 更に高度を上げた形のウェルシュに向かって、星司は、臆する事無く駆け上ってくる。
その右の刃が狙う風の盾を、ウェルシュは、左腕一振り、いきなり後方に投げ捨てた ]
ヤアァァアアーーッ!
[両手にサーベルの柄を握って放つ気合は、大蛇にトドメを刺さんとした時に発したのと同じもの。
だが、今度は真っすぐな自由落下ではなく、星司の剣先の届くぎりぎりで身を捻って軌道を変える。
受け止める盾が無くなったことで、星司の反応を少しは遅らせる事が出来たか。
それでもやがて追いつくだろう左の剣が、身を切り裂こうと構わずに、そのまま星司の頭上を越え、背後に着地を試みる。
高みから低い位置へ、足を着けば同時に身を屈め、今度は星司の足元を斬り払おうと、サーベルごと身体を反転させる*]