『……いや、そもそもいきてねーし』
[それに返ったのは呆れたような突っ込み。
内容はだいぶ物騒だが。
巨狼はしばしじたばたともがいた後、どうにか身体を起こしてぶるる、と身を震わせた]
『でもまあ、いい一撃だった。
これならまあ。
届くだろ、『アレ』に』
……それじゃあ。
『ああ。
イライラ綺麗にかっ飛ばしてもらえたしな。
開門と、承認を。
『始源の双牙獣魔』の名においてなさしめん』
[静かな宣の後、巨狼は一声、吼える。
それに応じて漆黒の光が生じ、それは若き騎竜師とその騎竜たちをふわりと包み込んだ]