生憎とこの街には、国として正式な交渉権限を持つ人間はいません。 けれど、双方に実のある話はできます。 この国を開かせるための方策、などは。 館長と話した後にでも、ここにきてください。[手早く部屋の場所を書いたメモを渡す。ふたりきりで話したいとの意図を込めて声を潜めた。滞在中の宿や漂着民の世話などは館長が手配してくれるだろうと丸投げて。**]