―ま、妖精が天使になれるとも思えないけどねー。
[自分には天使達のような立派な羽なんてどこにも無いのだから。
空を飛ぶ力はあるけれど羽が有るか無いかすら自分自身も把握し切れていないのだ。もし有るのだとしたらそれこそ水よりも透明で絹よりも薄い、触れてもそこに有ると分からぬような代物だろう。
普通自分の事なら分からないかと聞かれた事もあるがそもそも物心付いた時から親の存在も同族も無く、自分が本当に妖精なのか、あるいは悪魔か何かなのかすら分からないのだからしょうがない。
だからこそ彼は自由を好んだ―導きを与えられなかったから。
だからこそ彼は子供だった―親に育てられなかったから。
だからこそ彼はどこまでも無責任だった―地位や法の必要性を知る事無く育ったから。
だからこそ彼は―]
あーあ、外に出たいなー…。
[どこまでも孤独だった―]