[ 伯父と顔を会わせることなく家を出ることに成功した。両親も祖父母も亡くなった今では唯一の肉親だが、口煩いのも嫌だし父と似た顔に睨まれるのも面白くない。 ]
[ 祖母の死からまだ3ヶ月、哀しみに浸っていたいところだが、日に日にそうも行かなくなっているのを感じる…世間体があるから、身寄りのない自分がすぐに放り出されないだけなのだ。 ]
[ 春になれば寄宿学校へか、適当な縁談をまとめられて片付けられないとも限らない。 ]
う…行く先は暗いなあ。
出来れば街に出たいところだけれど。パパが生きていたころのツテなんかもうないよなあ…
[ パメラの取柄は、並よりは良い器量と若さと(規模はともかく)村の名士の家の者、というそれだけ。いずれの期限も長くない。 ]
[ 祖母から仕込まれたのは刺繍に詩篇に紅茶に…と所謂花嫁修業的なものばかり。適当な家に添わせられるでないならば役に立たない。 ]
[ おそらくは祖父母存命中に勧められたまま適当な結婚をしておくべきだったのだろうが… ]