[懐かしくも愛おしい琥珀の眸に見入る空色。名を綴り時間が止まったように動けぬままあれば少年の声が優しく降り注ぐ。少女は驚いたようにはたと瞬いた。彼の言葉で漸く己が泣いていた事に気付く。] あ、れ……。 如何したんだろ。[一人にしない、と淡い声音がまた涙を溢れさせる。ぎゅう、と締め付けられるような胸の切なさ。涙拭おうと手を持ち上げると自身の手が触れる前に少年の手が涙を掬う。]