― 回想 王都周辺 ―
[近づいてくれば>>113、クレステッドにもそれは感じ取れた。あの忌々しい波動。
紛れも無い、聖剣のそれ。
囮でもなんでも無く、それは彼らの宿敵本人であることが、ようやく確信できた。
降り注ぐ矢も火球も、有効なダメージを与えることは出来ず。
結局、カレルを防衛線にて撃墜することは叶わず。じき、街に降り立つことは容易に想像できた。
門には封印が仕掛けてあり、簡単には開かないかもしれない。しかし。
門の封印と聖剣の退魔の力を真っ向から戦わせようものなら、恐らくこちらが持たない。
仕方なく、彼は門の封印を一旦解いた。
それに、城門近くは100体近くもの竜牙兵が守っているのだ。
竜牙兵は単騎でも、熟練の騎士と同等かそれ以上の強さを持つと聞く。
いかに聖剣があろうが、いかに奴がロルフの血を引くものだろうが、独りではどうにもなるまい。そう考えた。]
……忌々しいが……ええい、どうせ奴一人でたどり着けるなどありはしない!
奴への攻撃は中止!
眼前の敵に火力を集中せよ!!