[彼女が伸ばしてきた腕を、わたしは寸前で払った。>>120
机の前に置いた身を素早く返し、その裏に回る。
わたしと彼女は、机一つを挟んで対峙した。
アイリ総督を殺されて許せない、は間違いないようだ。
その憎しみをわたしに向けている。憎悪をあおったのは、わたしの言動がきっかけかもしれないけど。
”簡単に人を殺める”と言われてせせら笑う]
簡単にじゃない。覚悟があるか、どうかだよ。
あなたには覚悟が足りない。
甘いよ、リーゼロッテ!
[わたしは腰に差した剣を鞘から抜く。切先を彼女に向けた]
覚悟があるっていうなら、見せてみなよ。
返り討ちにしてあげる!
[わたしは挑発を重ね、彼女に剣を振り下ろした。*]