[ゲオルグへと渾身の体当たりを食らわせた。跳ね飛ばせるだけの力は無いが、よろめくだけでも構わない。ひとつひとつの動きが、妙にゆっくりなものとして映る。ゲオルグがバランスを崩したのが見える、良かった。][なら、矢は?]あ………。[炎が、少女の脇腹を貫通していた。気付いてしまうと、内側がじわりと焼ける様子も解ってしまう。どんどんと広がる苦しみ胸を掻き毟りながら膝を折り、蹲った。]