[やがて、両軍の本陣からも矢のアーチが掛かり、騎馬隊がそれぞれ動き出す。
敵騎馬隊の一隊が南に向かってきた時には見つかったかとぎょっとしたが、どうやらそうでもないらしく、途中で方向を変えていった。
思わず胸をなでおろすが、これこそ機だろう。
犬笛の音を合図に、猿たちはいっせいに動き始める。
盛大な太鼓や喇叭の音と共に、窪地から次々と月と波の軍旗が立ち上がった。]
騎乗ーーーっ!
突撃ーーーっ!
[草原の真ん中から軍が湧きだしたような、そんな効果を狙いつつ、総数100名弱の三分隊が動き出す。]