『……ツアー客の帰り待ちかね』
だって、あまり騒がしいと気が散るでしょう?
[人が悪いと言いたげなリエーフに、面白がるような視線を流して足を踏み出した。
向かうは地下室――、ではなく、ツアー客が去った後も開きっぱなしになった書斎の扉]
開けた扉は占めるのが閉めるのがマナーだと思うけれど。
[ツアー客の最後尾は子連れの親子だった。
子供が閉め忘れたのだろう、と代わりに扉を閉めに向かう。
ドアノブを掴んで、何の気なしに遠ざかろうとしているツアー客達へ視線を向けた瞬間だった。
異様な大男>>81の姿が目に飛び込んできたのは]