― とある未来 ―
「また描かれたぞ?!一体誰が、どうやってこんな真似をしたと言うんだ?」
[風花の村から適当に離れたとある村。
倉庫の壁一面が、たった一晩で見事に彩られたことに気付いた持ち主が途方にくれた声をあげる。]
「確かに、昨夜はここには何もなかった!見たのは俺だけじゃない!
しかも、厳重に鍵をかけた。人間どころか、鼠一匹入り込めないはずなのに、何故だ?!」
[持ち主が頭をがりがりとかきまわす。
最近この地方で多発している、謎の落書き事件――それはとうとう、完璧な密室という状況下で発生した。]